スーパーボウルのコマーシャルはかつて、ブランドコンテンツの最高峰に位置付けられていました。多くの視聴者が画面に釘付けになり、広告主である企業のメッセージを受け取るのです。ミーン・ジョー・グリーンを起用した有名なCoca-Colaのコマーシャルなど、記憶に残るスポットCMがいくつか思い浮かびます。

そして現在、視聴者はコマーシャルをスキップしたり、広告をブロックしたり、従来の広告を無視することができるようになりました。コンテンツを視聴するプラットフォームはかつてないほど増加しています。その結果、企業は消費者の注目を集めるための手段を考え直す必要に迫られています。

また、メディアチャネルの数が増え続ける中、広告主はいかに消費者にリーチするかという大きなプレッシャーにも直面しています。さらに、NetflixやDisney+といった人気の高い動画配信サービス（SVODプラットフォーム）で広告が排除されるなど、広告主にとって不利な状況が生じています。

このような変化を受けて、マーケティング担当者は、コンテンツを視聴者に押し付けるのではなく、人々が見つけ、関わり、他の人と共有したいと思うようなコンテンツを制作することにより力を入れるようになっています。

ブランドコンテンツとは何か？なぜ企業にとって必要なのか？

ブランドコンテンツは、広告主が費用を負担して制作する動画で、視聴者が選択して視聴できるものです。エンターテイメントカルチャーの人気コンテンツと並べても遜色がないように作り込まれています。YouTubeのオンライン動画でも、TV番組でも、あるいはソーシャルメディアの投稿でも、明示的に商品を販売するのではなく、消費者がブランドとより自然に関わることができるようにしています。その結果、ブランドはコンテンツとの関係性、そして消費者の信頼感やロイヤルティを醸成することによって、メリットを享受するのです。

例えば、Appleが最近公開した動画Escape from the Officeです。絶賛されたThe Underdogsシリーズで、理不尽な対応を迫られた4人の従業員が、嫌な上司の束縛から逃れて自分たちの事業を立ち上げるというストーリーです。2022年3月にYouTubeで公開されて以来、3500万人以上がこの9分間の短編動画を視聴しています。

エナジードリンクブランドのRed Bullも注目に値します。フェリックス・バウムガルトナーが2012年に行った宇宙空間からのフリーフォールから、フリースタイルスキーのオリンピック金メダリスト、アイリーン・グーの偉業を取り上げたコンテンツに続く最近のシリーズまで、アドレナリン全開のブランドコンテンツでこれまでの常識を打ち破っています。

ノースフェース（The North Face）もパワフルなドキュメンタリー映像Learning to Drownで大きな注目を集めました。エクストリームスポーツの舞台裏のメンタルヘルスを模索する内容です。

ブランド動画の台頭

最近発表されたAdvertiser Perceptionsのレポートによると、ブランドコンテンツやインフルエンサーを活用している広告主の半数以上が、ブランドコンテンツは以前よりも重要度を増していると回答しています。

動画などのブランドコンテンツにあらためて注目が集まっていることについて、説明がつくと多くの人が考えています。このような形式のストーリーテリングが、新たな消費者グループと極めて効果的にコミュニケーションを取る手段となっていることは、調査で明らかになっていますが、自分たちの価値観やライフスタイルを象徴するようなブランドをサポートしたいと考える消費者の心に響く、意味のあるストーリーに力を入れようとする傾向が強くなっているようです。

ブランドコンテンツのメリット

ブランドコンテンツは感情に訴えるうえで極めて効果的です。Turner IgniteとRealeyesによる調査で、ブランドコンテンツの視聴者は、30秒間のCMを見た人よりも、ポジティブな反応を示す可能性が62％高かったと結論づけられています。そして、ブランドコンテンツは概して、強力なストーリーを伝えるものであるため、視聴体験中の感情的なエンゲージメントが31％高まっていることが明らかになりました。また、この調査で、消費者の67％が、ブランドコンテンツはより影響力が強いと考えており、17％はブランドの商品を購入する可能性が「非常に高く」なっていると回答しています。さらに、Nielsenの調査で、消費者はプリロール広告より、ブランドコンテンツを見た後の方が、ブランドについて思い出す傾向があることが明らかになっています。

この方程式における「HOW（どのように）」の部分は、プログラマティック広告を活用している多くの広告主によって解決されています。訪問者がページを読み込む際に、さまざまなチャネルを横断して、最適な広告枠をオークションで入札する、人工知能（AI）を活用した自動化で実現する広告です。視聴者が関わりたいと考えるブランドコンテンツでターゲットとなる視聴者に直接リーチすることができるこの機能で、企業はビジネスを拡大し、デジタルメディア広告のROIを最適化する可能性を開きます。

文化的に正確なメディアコンテンツ

ブランドコンテンツを制作する際、リーチしたい視聴者の文化に忠実なコンテンツを意識することが重要です。MediaNEXTは、お客様のメッセージを世界に伝えるためのさまざまなソリューションを提供しています。弊社のサービスやソリューションの詳細は、こちらをご覧ください。